関西は、つまり京都・大阪・神戸・奈良あたりは既に充分すぎるほど訪れた、と豪語
される方は多いに違いない。そんな方々に次の関西でお薦めしたいのが「間(かん)」
の旅である。「間」とはふたつの大都市の間くらいの意味だろうか。関西にはそんな
地帯が2か所ある。すなわち阪神間と京阪間である。阪和、阪奈という言葉もある
にはあるがあまり「間」にはならないようだ。

大阪と神戸の間である「阪神間」には大阪と神戸の一部も含まれているはずだが、
この二つの都市とは明らかに異なるニュアンスの文化を持っている。その独自の文化は
ある意味大阪、神戸からも一目置かれるものがある。その象徴となるのが谷崎潤一郎
の『細雪』に描かれる世界と言えるだろう。

京阪間はそんな阪神間に比べるとやや影が薄い印象もあるものの、大河である淀川が
育んできた独特の歴史と文化に彩られている。

シリーズ「間」の旅ではそんなふたつのゾーンを散歩してみようと思う。